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切り落とした耳が、家の顔になった!

切り落とした耳が、家の顔になった!

ウッドストックヤードには、出番を待ついろいろな端材が積まれているが、中でも耳(樹皮部)がついた端材は、「樹木」として森に立っていた姿を想像させてくれてワクワクする。

Hさんは、このアラスカ産ウエスタンレッドシダーの耳つき無垢板を「ウッドデッキにするつもり」で購入した。小径木で、節があるので、工務店などに敬遠され、ストックヤードに積まれていたものである。

ウエスタンレッドシダーは大径に育つので、小径木といっても直径300mm以上はある。
板は60mmに挽かれていて、ウッドデッキとしては贅沢な幅と厚さ。「いい買い物をした」と喜んでくれた。

しかし、全ての板が耳付きで、しかもそのほとんどが両耳つきの材である。
デッキを貼るには、当然ながらその耳を落としてまっすぐに製材しなければならない訳で、そこもDIYするというのだからナカナカに上級者だ。

冒頭の写真はデッキ材をつくるために、落とした耳を使ってつくった壁。デザインアイディアはもちろん、材を余すところなく使っていただいたことも含めて、なんてオシャレなDIYなんだろうと感心した。

以下、Hさんに書いてもらったDIYレポートをお届けしたい。
「気に入ってくれたら、真似しても良いです(笑)」とのこと!

【HさんのDIY】

デッキ材を作るためのDIY製材開始。
60mmは丸鋸で切り落とせるギリギリの厚み。
100枚近くある板の両耳をただひたすらに墨付けし、丸鋸で切り落としていく・・・。
切り落とし続けること丸2日半。ようやく全ての材の耳が落とされた。

そうして生み出されたのが、200本近いウエスタンレッドシダーの耳。
当初は薪にでもしようと考えていたのだが、ウエスタンレッドシダーをこんなに大量に燃やすのはどうしても気が引ける。

しばらくボンヤリ使い途を考えていたのだが、アラスカ産のウエスタンレッドシダーはカナダ産のものと違って、表面が荒々しく、デコボコとしている。
デッキ材として製材するためには材の効率を考えてギリギリのところを製材するので、ペラペラに薄いところから、200mm近くでっぱったところまである。
つまりは強度も低いし、形もあまりに不均衡で、正直とても使いにくい。

でも、眺めているうちに、ふと「このデコボコや表面の節が、表情があっていいんじゃないか・・・」と感じ始めた。

そこで思いついたのが、表面の意匠をどうするか悩んでいた玄関を入ってすぐの土間の壁面。
現状は構造用合板が貼られただけの状態。

この壁に切り落とした耳を、タイル状に貼っていけば面白い表情になるかもしれない・・・。
と思い、長細く切り落とされた耳を、薄すぎる箇所や、割れていて使えないところなどを避けながら
ランダムな長さに切り落としていき、構造用合板に貼っていった。

ウエスタンレッドシダーは、同じ木でもさまざまな表情を持つ。色も違えば、質感も違う。加えてアラスカの厳しい自然によって表面が荒々しく隆起している。
ひとつの壁面に多種多様な色、質感、形のタイルが、踊るように張り付いていて、その陰影に富んだ表情を眺めているのは愉しい、

「登れそう」と子どもがボルダリングをしそうになったので、慌てて止めた!

完成した壁は小さく切り抜いてあり、アート作品を飾れるようになっていた。
家の玄関土間に貼り付けられたウエスタンレッドシダーの耳材は、
「訪ねてくる友人たちを迎える家の顔になってます」とHさん。

広々と心地よいウッドデッキも完成して、子どもたちが走り回っていた。
耳付きの板材は使いにくいかもしれないが、アイディアひとつで豊かな表情をつくることのできるおもしろい素材だ。一つとして同じ形はないから、一期一会の真剣勝負。いつも在庫があるとは限らないが、気に入った人はぜひ入手してほしい。

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